北韓が、海外滞在の留学生を、本国に呼び戻して思想教育を行う措置を再開しているもようです。
韓国メディアが、北韓の内部事情に詳しい消息筋の話として報じたところによりますと、北韓当局は、中国やロシアで比較的自由な生活を送っていた留学生たちに対して、本国に戻って今月中に平壌(ピョンヤン)の人民大学習堂で開かれる政治講習など思想教育に参加するよう指示したということです。
これについて韓国の統一部は4日、新型コロナの影響で、これまで中止されていた措置が再開されたと説明しています。
北韓は海外に滞在する留学生の思想の緩みを防ぐため、定期的に学生たちを平壌に呼び戻して思想教育を行っていましたが、コロナ禍の影響で国境を封鎖した2020年初めからは、こうした思想教育は中止されていました。
この消息筋は、これまでとは異なって、ことしは、留学生とともに海外に滞在している両親の帰国は認めておらず、講習を受けたあとに北韓に強制的に残らせることへの懸念も広がっていると伝えています。
韓国政府は、北韓のこうした措置が北韓の留学生に及ぼす影響について注意深く見守っています。
北韓が国境の開放を再開した去年、北韓の外交官や駐在員たちの交代が本格的に行われはじめると、海外に滞在していた北韓のエリートたちが相次いで脱北しています。