尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は4日、新たな放送通信委員長の候補に前大田(テジョン)MBC社長の李真淑(イ・ジンスク)氏を指名しました。
前任の金洪一(キム・ホンイル)氏は、自らに対する弾劾訴追案が国会に提出されるのを前に辞意を表明し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はこれを受け入れて、今月2日に辞任を承認しています。
今回、指名された李真淑氏は、MBCの記者出身で、ワシントン特派員、報道本部長などを歴任し、その後、大田(テジョン)MBC社長になっていました。
大統領室は李氏について、「長い間積んできた経験や推進力にもとづいて放送通信委員会の運営を正常化させる適任者だ」と説明しています。
李氏は指名受諾のあいさつで、「公共放送は、労働団体などの労働権力から独立しなければならない」という認識を強調しました。
また「近くMBC、KBS、EBSの公共放送3社の理事の任期が終わる。任期が終われば当然新たな理事を選ばなければならない。任期が終わった理事をそのまま維持する理由はない」と語りました。
放送通信委員会は、3社の理事会のメンバーを指名することができ、KBSの理事は放送通信委員会が推薦すれば大統領が任命し、MBCとEBS理事は放送通信委員会が直接任命できます。
MBCの理事会は、先の文在寅(ムン・ジェイン)政権で任命された野党寄りの人物が中心となっているため、任期終了を機に現政府寄りの人物に入れ替えることを示唆したものとみられています。
これについて最大野党の「共に民主党」は、「尹大統領はMBCの掌握を宣言した。これは放送の掌握を続けていくという国民向けの宣戦布告にほかならない」と反発しています。