NATO=北大西洋条約機構の首脳会議に出席するためアメリカのワシントンを訪れている尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は11日、日本の岸田総理大臣と首脳会談を行い、北韓とロシアの軍事協力への共同での対応について話し合いました。
会談で尹大統領は、国際安全保障が厳しさを増すなか、韓日両国が3年連続で、インド太平洋地域のパートナー国としてNATO首脳会議に出席しているのは、戦略的意義が非常に大きいと評価しました。
また、最近、ロシアと北韓が包括的戦略パートナーシップ条約を結び、軍事的・経済的接近を加速する動きについて、「東アジアだけでなく国際安全保障に深刻な懸念をもたらしている」と述べました。
さらに、「最近のロシアと北韓の接近をみると、去年8月にワシントン郊外にある大統領専用の山荘、キャンプ・デービッドで行われた韓日米3か国の首脳会談での協力に関する合意がどれほど重要なものなのかがわかる」と強調しました。
尹大統領は、「韓日両国がNATO加盟国と緊密に連携しながら、北大西洋の安全保障と北東アジアの安全保障は決して切り離すことはできないということを友好国との団結した対応で示していきたい」と述べました。
岸田総理大臣も、「いまの国際情勢を考慮すると、両国首脳が堅固な信頼関係と戦略的問題認識を共有しながら緊密に連携することは意義深い」と述べました。
また、「北韓の情勢など最近の安全保障と国際的な懸案を中心に意見交換できればと思う」と述べました。
この韓日首脳会談は韓国時間の11日午前、35分間にわたって行われました。
両首脳が会談したのは、ことし5月の韓日中3か国による首脳会議以来です。
一方、尹大統領はドイツを手始めに、カナダ、オランダ、スウェーデン、チェコ、フィンランドの6か国のNATO加盟国とそれぞれ会談しました。
尹大統領は、それぞれの会談で、ロシアと北韓が包括的戦略パートナーシップ条約を締結したことへの懸念を表したほか、さまざまな分野での協力強化策について議論しました。
ドイツとは、ウクライナへの支援と、サプライチェーンの混乱や気候危機などの国際的な懸案での連携を、カナダとは、カナダの国防力の強化に向けた防衛産業での協力を検討することで一致しました。
なかでもオランダとは、今月初めに就任したばかりのオランダのディック・スホーフ首相と初めて会談し、先月末に尹大統領が国賓として訪問した際に合意した半導体同盟の履行状況について確認し、今後も緊密な連携を続けることで一致しました。