北韓は南北をつなぐ道路の撤去作業を進めていますが、新たに南北を結ぶ鉄道・京義(キョンイ)線の線路を撤去している様子が確認されました。
京義(キョンイ)線は1906年に開通した、ソウルと北韓の新義州(シニジュ)を結ぶ全長518キロの鉄道です。
国防部が11日、発表したところによりますと、先月末から北韓が開城(ケソン)駅と軍事境界線を結ぶ京義線の北側で、鉄道の撤去作業を行っている様子が確認されたということです。
北韓は、ことし5月から軍事境界線から金剛山(クムガンサン)につながる東海(トンヘ)線の北側で鉄道の撤去作業を行っています。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長はことし1月の施政演説で、「南北の軍事境界線付近にある、南北をつなぐすべてのものを徹底して断ち切る」と話していました。
その後、南北をつなぐ京義線と東海線の沿線に地雷を埋設したほか、道路に設置された街灯を撤去する作業に乗り出し、線路の撤去も相次いで行われています。
北韓はまた、非武装地帯の一部地域で対戦車用の防壁とみられるコンクリートの壁を建設するなど、様々な作業を展開しています。
韓国軍によりますと、北韓はこうした作業を一日平均12時間以上、夜間も行っていて、今後このような作業が非武装地帯全域に拡大するかは見守る必要があるとしています。