北韓がゴミや汚物をぶら下げた風船を韓国に向けて再び飛ばしたことへの対抗措置として、韓国軍は19日、南北の軍事境界線付近で大音量のスピーカーを使って北韓の体制を批判する宣伝放送を再開したと発表しました。
韓国軍による宣伝放送が再開されたのは先月9日以来、39日ぶりです。
韓国軍によりますと、放送は北韓が風船を飛ばした18日午後6時から翌日早朝までおよそ10時間にわたって行われたということです。
「宣伝放送」は、前線にいる北韓の兵士の動揺を誘う「心理戦」の一環で、北韓の体制批判や韓国の発展ぶりを伝える内容が中心となっています。
高出力のスピーカーから流れる宣伝放送は、放送設備や時間帯によっては30キロ離れたところまで音声が届くとされていますが、18日は、北韓が風船を飛ばした一部地域だけを対象に行われました。
これに先立ち、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は、14日と16日、朝鮮中央通信を通じて談話を発表し、韓国から飛ばされたビラが再び北韓で見つかったとして、「汚い行いに対する代償を覚悟しなければならない」と述べ、韓国への報復措置を警告しました。
北韓による汚物風船の放出は、これが8回目で、韓国軍は19日、今回、北韓が飛ばした汚物風船はおよそ200個が確認されたと発表しています。