尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫人の金建希(キム・ゴニ)氏に対して、高級ブランドのバッグを受け取った収賄などの疑いで、検察が事情聴取したことが明らかになりました。
ソウル中央地方検察庁は21日、尹大統領夫人の金建希氏をソウル市内の政府施設に呼び、およそ12時間にわたって事情聴取を行ったと発表しました。
検察によりますと、警護や安全上の理由により、金夫人を検察の庁舎ではなく、政府の施設に呼び、事情聴取したということです。
金夫人はおととし9月、韓国系アメリカ人の牧師からおよそ300万ウォン相当の高級ブランドのバッグを受け取った収賄の疑いのほか、尹大統領が就任する前に輸入車販売業者の株価操作に関与した疑いも持たれています。
検察は、ことし5月からこれらの疑惑に関する捜査を進めています。
捜査の開始に当たって、李沅䄷(イ・ウォンソク)検察総長は迅速かつ厳正な捜査を指示していますが、今回、事情聴取の際、李検察総長は事後の報告しか受けていないことが分かり、波紋が広がっています。
李検察総長は22日、事前に報告が行われなかったことや、金夫人が検察の庁舎ではなく政府の施設で事情聴取を受けたことについて、「法の前には例外も聖域もないという原則が守られなかった」と述べ、国民に謝罪しました。
金夫人が検察の庁舎ではなく、政府の施設で事情聴取を受けたことについては、野党も「特別扱いだ」「免罪符を与えようとしている」などとして、強く非難するとともに、金夫人の不正疑惑について、検察から独立して活動する特別検察官による捜査を可能にするための法案の成立を改めて目指していく考えを示しました。