与党「国民の力」は、空席だった党代表に、4月の総選挙で非常対策委員長として党を率いた韓東勲(ハン・ドンフン)氏を選出しました。韓氏は総選挙での惨敗を受け、非常対策委員長を辞任していました。
韓氏は、23日に開かれた党大会で、党員投票と国民を対象に実施した世論調査を合わせた結果、過半数の62.84%を獲得し、決選投票を行わずに代表に選出されました。
代表選にはほかに、元喜龍(ウォン・ヒリョン)前国土交通部長官、国会議員の羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)氏、国会議員の尹相現(ユン・サンヒョン)氏が立候補していました。
韓氏は、当選後の演説で「変化」を強調し、「国民の心と目線にもっと反応しよう」と呼びかけました。
また、 健全で生産的な党と政府の関係を強調しました。
次期大統領を目指している韓氏が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との関係をどのように築くのかが、尹大統領の残り3年の任期を左右するものとみられます。
検察出身の韓氏は、同じく検察出身の尹大統領の側近でしたが、最近は尹大統領と距離を置き、批判的な発言をしていました。
韓氏は、尹大統領寄りの議員らの反発を意識し、「私を支持していない方々に対しても、格別の誠意を尽くす」と約束しました。
韓氏は、党大会直後に尹大統領に電話し、党と政府の団結に向けて取り組む意向を伝えたということです。
「国民の力」は、最大野党よりも議席が少ないうえ、尹大統領の支持率が20%台と低迷しているなか、韓氏が党の結束を固め、政府との関係の修復を図ることで、国民の心をつかむことができるかに注目が集まっています。