去年、海兵隊員が殉職した事故をめぐって軍の隠蔽や捜査妨害があったとして、通常の検察から独立した特別検察官を設置して捜査するよう求めていた法案は、再び否決されました。この法案が否決されたのは、これで2回目となります。
この法案は、今年5月、改選前の国会の本会議で、最大野党「共に民主党」を中心とする野党側の議員のみの賛成で可決されたものの、尹大統領が拒否権を行使したことで国会に差し戻されましたが、再採決の結果、否決され、廃案となっていました。
差し戻された法案が成立するには、国会の在籍議員の過半数が出席し、出席議員の3分の2以上の賛成が必要となります。
総選挙で大勝した野党側は、新しい国会がスタートしてすぐに、この法案を国会に再提出し、野党単独で可決しましたが、尹大統領がまたも拒否権を行使したことで国会に差し戻されていました。
国会は25日の本会議で再議決を行いましたが、在籍議員299人のうち、賛成194、反対104、無効1で、結局、出席議員3分の2の賛成は得られず、法案は再び否決されました。
今回の法案には、捜査対象に大統領室が含まれるなど、政権にとって厳しい内容となっているほか、与党「国民の力」は、特別検察官を推薦する権利から与党が排除されているとして、反対の立場を維持しています。
しかし、最大野党「共に民主党」は、8月の国会本会議で再び法案の可決を目指す方針で、与野党の激しい対立は当分続くものとみられます。