韓国とアメリカ、イギリスの3カ国の情報当局は、北韓のハッカー集団が、世界的なサイバースパイ活動を行っているとして、各国の政府機関や企業に対し、対策を呼び掛ける勧告を共同で発表しました。
韓国の国家情報院、アメリカのFBI=連邦捜査局、それにイギリスの国家サイバーセキュリティセンタ―などは26日、「北韓のハッカー集団『アンダリエル』が航空・宇宙、原子力・海洋などに関連する各国の政府機関や企業を対象に機密情報や知的財産を盗んでいる」として、注意を呼びかけました。
FBIは現地時間の25日、北韓国籍のハッカー、リム・ジョンヒョク容疑者が、アメリカのカンザス州でハッキングやマネーロンダリングなどの疑いで起訴され、逮捕令状が発付されたと発表しました。
FBIによりますと、アンダリエル所属のリム・ジョンヒョク容疑者は、ランサムウェアでアメリカの病院と医療サービス会社のコンピューターシステムに侵入し、不正に奪い取った金をマネーロンダリングした上で、アメリカや韓国、中国などの政府機関と企業を対象にハッキングを仕掛けるためのインターネットサーバーを購入したとされています。
勧告ではアンダリエルの攻撃に備えるためのセキュリティ対策として、セキュリティ上の欠陥があるシステムに欠陥を修正するためのプログラム・セキュリティパッチを適用し、マルウェアによる不正アクセスを防ぐためにPCやスマートフォン、タブレットなどの端末とそれらで保存されている情報を保護するためのエンドポイントセキュリティを強化することなどを促しています。