鴨緑江の北韓側の流域で発生した洪水について、統一部は、大規模な被害が発生した可能性を指摘しました。
統一部の当局者は30日の記者会見で、「北韓が電力と通信の復旧や、医薬品の支援などについて言及したことを踏まえると、被害規模がかなり大きいものとみられる」と述べました。
また、「北韓メディアの報道を見ると、人命被害が発生した可能性もある」として、正確な被害規模を把握するために、引き続き状況を見守る姿勢を示しました。
北韓メディアは29日、豪雨によって鴨緑江の水位が上昇して、北韓北西部の新義州(シニジュ)などの住民約5000人が孤立していると報じました。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が救助と避難活動の指揮にあたり、関係機関の幹部らを叱責したということです。
北韓では、1995年と2010年の夏にも鴨緑江が氾濫し、新義州地域で大規模な水害が発生しましたが、統一部の当局者によりますと、今回の北韓メディアの報道が、2010年8月に発生した鴨緑江の氾濫に関する報道パターンと似ているということです。
これについて、統一部の当局者は、「今回の洪水被害が世論の悪化につながると判断し、幹部らに責任転嫁を行ったとみられる」と説明しました。