朝鮮王朝時代に日本に派遣された外交使節、朝鮮通信使が乗った船の復元船が、山口県下関市に向け、出港しました。
この復元船は、国立海洋遺産研究所が2018年に復元したもので、31日に釜山を出発しました。
今後、長崎県の対馬、壱岐、福岡県の相島を経て、山口県下関市に向かう予定で、およそ1000キロを、1か月かけて航海することになります。
復元船ではありますが、朝鮮通信使船が大韓海峡と対馬海峡を渡って下関まで航海するのは、1764年の11回目の派遣以来、およそ260年ぶりです。
最終目的地の下関では、朝鮮通信使船を迎えるさまざまなイベントが予定されています。
下関市で進めている朝鮮通信使事業は、ことしで20周年を迎えます。
去年は「対馬厳原港まつり」に復元船が参加しました。
朝鮮通信使は、韓国では壬辰倭乱と呼ばれる文禄・慶長の役で断絶した日本との交流を回復するため、日本の要請で1607年から1811年までのおよそ200年間、12回にわたり派遣されましたが、12回目の派遣の時は対馬に差し止められたため、下関までは来られませんでした。