北韓が新型戦術弾道ミサイルの発射台250台を韓国との軍事境界線付近に配備したと、北韓のメディアが伝えました。
国営の朝鮮中央通信が5日伝えたところによりますと、北韓の首都平壌(ピョンヤン)で4日、韓国との軍事境界線付近で任務に当たる第一戦部隊に、新型戦術弾道ミサイルの発射台250台を引き渡す式典が行われたということです。
式典には、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長も出席し、発射台の配備について「われわれが計画したミサイル武力建設の第一段階に過ぎない。新型装備の世代交代の過程を毎年、世界にみせてやる」と述べ、ミサイル開発を推し進める姿勢を改めて示しました。
北韓のメディアが公開した写真をみますと、引き渡されたのは、射程がおよそ110キロとされる、CRBM=近距離弾道ミサイル「火星11ラ」の発射台とみられます。
それぞれの発射台には発射管4本が搭載されていて、250台が一斉に発射すると1000発もの飽和攻撃を仕掛けることができ、韓国軍と韓国駐留アメリカ軍にとって大きな脅威となります。
今回の配備は、戦闘力の強化をアピールすることで韓国やアメリカをけん制するとともに、北韓で先月下旬に大雨による洪水被害が発生したなか、内部結束をはかる狙いがあるとみられれます。
式典には、金委員長の娘、ジュエさんも出席しました。ジュエさんが北韓のメディアに登場するのはことし 5月14日以来です。