IOC=国際オリンピック委員会が、パリオリンピックに参加した選手らに提供したサムスン製のスマートフォンを、北韓の選手団も受け取っていたことについて、韓国統一部は、北韓に対する安保理の制裁決議に違反する可能性があるとする見方を示しました。
アメリカの自由アジア放送が8日、報じたところによりますと、IOCは、オリンピックの公式なスポンサーであるサムスン電子が提供する特別仕様の折り畳み式スマホ「ギャラクシーZフリップ6」を、参加した選手全員に提供していて、北韓選手団もこれを受け取ったということです。
しかし、スマホのような電子機器は、軍事用にも転用される可能性があるため、国連安保理の対北韓制裁決議にもとづいて、北韓に対しては、直接・間接を問わず、供給、販売、移転が禁じられています。
これについて韓国統一部の当局者は、8日の記者会見で、「すべての電子機器は 対北韓制裁決議にもとづいて、北韓への供給、販売、移転が禁じられている。
ただ、この件については、IOCの最終的なコメントが必要だ」としています。
また「2018年の平昌冬季オリンピックでは、組織委員会が対北韓制裁を意識して、大会期間中の使用は可能だが、帰国前に返納する条件でサムスン製のスマホの提供を提案したが、北韓が受け取らなかった」と説明しています。
しかし、IOCは、自由アジア放送を通じて「北韓の国内オリンピック委員会は、ほかの国と同じように、帰国前にスマホを返納する義務はない」としていて、今回は条件なしの提供とみられています。
IOCは、北韓選手団にスマホを提供することが制裁決議への違反ではないかという質問に対しては、まだ回答していないということです。