女性初のアメリカ大統領を目指すハリス副大統領は、民主党全国大会で大統領候補としての指名受諾演説を行い、外交政策では、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のような「暴君や独裁者に寄り添うつもりはない」と述べました。
ハリス氏は現地時間の22日、アメリカ・イリノイ州のシカゴで開かれた党全国大会での演説で、共和党候補のトランプ前大統領に言及し、「彼らはトランプ氏をお世辞やごますりで簡単に操ることができることを知っている」と指摘しました。
また、「トランプ氏が独裁者に責任を取らせないのは、彼自身が独裁者になりたがっているからだ」と強く批判しました。
この発言は、金委員長に「正統性」を与えることになるトップダウン型の首脳外交を行うつもりはないという意思を明確にしたもので、バイデン政権が維持してきた強硬な対北韓政策を念頭に置いた発言と受け止められています。
北韓がアメリカとの対話の姿勢を全く示さないなか、バイデン政権は北韓に対し、対話の再開に向けた柔和的態度をとらず、韓国や日本など同盟国との安保協力を強化する強硬な姿勢で対応しています。
一方、トランプ前大統領は、先月18日に行われた共和党全国大会の党候補者指名受諾演説で、「核兵器を持った誰かとうまくやることは良いことだ」とした上で「私が戻れば、彼とうまくやる」と述べ、金委員長との関係修復を図る意向をほのめかしました。