韓国の情報機関、国家情報院は、北韓が新型戦術弾道ミサイルの発射台250台を韓国との軍事境界線付近に配備したと主張したことについて、発射されたら韓国中部の忠清道(チュンチョンド)まで影響を及ぼす可能性があるとの見解を示しました。
国家情報院は26日、国会で行われた報告の中で、北韓が新型戦術弾道ミサイルの発射台を韓国との軍事境界線付近に配備したと北韓メディアが報じたことに触れ、「ミサイルが発射された場合、およそ610キロメートルを飛行し、忠清道まで影響を及ぼす可能性がある」と述べました。
また、国家情報院は、北韓のミサイル供給能力に疑問を呈しながらも、250台の発射台が近く全面的に実戦配備される可能性について懸念を示しました。
北韓は今月5日、戦術核の搭載が可能な新型戦術弾道ミサイルの発射台250台を生産し、軍事境界線付近に配備したと発表し、前線部隊への引き渡し式の様子を収めた写真も公開しています。
それぞれの発射台には4本の発射管が搭載されていて、250台が一斉に発射されると1000発ものミサイルによる飽和攻撃が可能となります。これは、韓国軍や韓国駐留アメリカ軍にとって大きな脅威で、これに対抗できる防御体制の構築が急務とされています。
一方で、韓国軍は、北韓がこれらの発射台を最前線に配備したという動向は、現時点では確認されていないとして、北韓の主張を否定しています。