2022年に改定が行われた新しい教育課程に基づく教科書検定の結果が公表され、中学校と高校の歴史教科書では、あわせて16の出版社の教科書が検定に合格しました。
韓国では、教育課程の改定に伴い、歴史教科書が修正されるたびにその内容を巡って、保守系と革新系の対立が続いてきましたが、今回も現代史をめぐり、教科書ごとに異なる歴史認識が示される結果となりました。
教育部が30日発表した、小中高校の教科書検定結果によりますと、中学校の「歴史」教科書7種と高校の「韓国史」教科書9種の教科書が審査に合格しました。
このうち、今回初めて検定に合格した韓国学力評価院の教科書は、保守的な観点から現代史を記述したと評価されています。
その一例として、李承晩(イ・スンマン)政権についての記述では、「独裁政権」という表現の代わりに、「長期政権」という表現を用いています。
また、元慰安婦問題を取り上げた内容でも、本文には性的搾取に関する直接的な言及はなく、「若い女性たちを連れていき、むごたらしい人生を送らせた」という一文のみで遠回しに表現していて、今後議論になるものとみられます。
検定に合格した教科書は来週から各学校に審査のために配布され、教職員の意見を踏まえてどれを採用するか決めることになります。