与野党の対立で延期されていた、第22代国会の開院式が、2日、行われましたが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は参加しませんでした。
ことし5月末に任期が始まった第22代国会の開院式は、当初、7月5日の予定でしたが、海兵隊員の殉職をめぐる特別検察法案や、尹大統領の弾劾訴追を求める国民請願の聴聞会などをめぐって与野党が対立し、無期限の延期となっていました。
このため任期が始まってから3か月あまりが経ってからの、これまでで最も遅い開院式となりました。
また、現職の大統領が開院式に参加しなかったことも、1987年の民主化以降、初めてのことです。
これまでは、大統領が開院式に参加し、国会議員の就任宣誓を見守ったあと、お祝いのメッセージを送ったり、党派を超えた協力を呼びかけるのが慣例となっていました。
尹大統領が参加しなかったことについて、大統領室は、大統領に対する野党の暴言や、ピケッティングが予想される状況での参加は難しかったと説明しています。
最大野党「共に民主党」は、「大統領が国民を拒否した」と強く批判したのに対して、与党「国民の力」は「野党のせいだ」と反論しています。
しかし与党内部でも、尹大統領が開院式に参加して政治的協力の意向を示すことで、国民の支持を得られたはずだという指摘も出ています。
第22代国会は、議席の過半数を占める野党「共に民主党」が単独で議決した法案に対し、尹大統領が拒否権を行使して、法案が国会に差し戻され、「共に民主党」が法案を再発議するという悪循環が起こっているなか、少数派の与党「国民の力」が存在感を示せずにいる形となっています。