韓国軍は、北韓の小型無人機を使った挑発への対応能力を高めるため、「ドローンに対する統合防衛システム」を実戦配備します。
このシステムは、レーダー探知機と赤外線サーモカメラでドローンの位置を正確に把握し、妨害電波や高出力のレーザー迎撃装置などを使って標的を無力化することができます。
国防部によりますと、韓国軍は先月はじめから一部の部隊で、このシステムの設置工事を進めているということです。
合わせて20のシステムを部隊に1つずつ設置する予定で、首都防衛司令部や空軍の主要基地など3つの部隊への設置を優先的に進め、来年までには実戦配備を完了する計画です。
従来の防衛システムは、探知や識別、攻撃などがそれぞれ別のシステムで構成されていたため、対応に時間がかかっていました。
2022年に北韓の小型無人機が軍事境界線を越えて侵入し、ソウル市内をはじめ、大統領室がある龍山(ヨンサン)上空にまで達した際にも、追跡と撃墜に失敗しました。
北韓は、先月、2種類の自爆型無人機を公開するなどドローン戦略を強化しているため、ドローンに対する防衛システムの戦力化が重要になっています。
こうした状況を踏まえ、国防部は、「北韓のさまざまなドローンの脅威に備えるため、韓国軍は実質的な対応能力を強化していく」と明らかにしました。