韓国とアメリカは、拡大抑止に関する協議の枠組みであるNCG＝核協議グループの会合を開き、初の模擬演習を実施しました。
 
NCGは、アメリカの戦略資産の運用に関する決定プロセスに韓国が積極的に関与し、北韓の核に対する拡大抑止の実行力を強化するための枠組みで、去年4月の尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領とバイデン大統領との首脳会談で合意され、設置されました。
 
韓半島で核危機が発生した際、アメリカの核抑止力の提供について両国の政策を調整することになりますが、今回の模擬演習は、そのためのシミュレーションだということです。
 
模擬演習は、今月5日から2日間、アメリカ・ワシントンで実施され、両国の安全保障や国防、外交の関係者が参加したということです。
 
国防部は、「今回の模擬演習を通じ、アメリカの拡大抑止の約束がいかに強固なものかが再確認された」と強調しています。
 
韓国とアメリカは、NCGの模擬演習に加え、実戦的要素の強い机上演習も続けていく方針です。
 
一方、北韓は8日、NCGの模擬演習が行われたことに強く反発し、韓米両国を非難する声明を出しました。
 
声明では、今回の模擬演習や今月4日に行われた韓米の「拡大抑止戦略協議」を「アメリカによる核の恐喝」と非難し、「アメリカとの長期的な核対決に備え、実践的な措置を続ける」と強調しています。