尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の夫人、金建希(キム・ゴンヒ)氏が知人から高級ブランドのバッグを受け取ったことが収賄などにあたるかについて、検察が民間の委員に意見を求める「検察捜査審議委員会」の会合が6日開かれ、委員らは「不起訴処分」とする答申結果を決定しました。
検察捜査審議委員会は、法曹界や学界、メディア、市民団体など外部の専門家からなる委員会です。最大300人の委員の中から無作為に選ばれた15人で構成され、検察が委員に捜査結果を説明し、意見を求める仕組みです。
金夫人はおととし9月、韓国系アメリカ人の牧師からおよそ300万ウォン相当の高級ブランドバッグを受け取ったとして、収賄の疑いなどが持たれていましたが、検察は先月、およそ4か月にわたる捜査の結果、「嫌疑なし」と結論付けていました。
これを受け、李沅䄷(イ・ウォンソク)検察総長は先月23日、「外部機関の意見を聴いたうえで、公正に事件を終結させるのが望ましい」として、この事件を検察捜査審議委員会に諮問していました。
6日に行われた委員会では、無作為に選ばれた15人のうち14人が出席し、「不正請託および金品など授受の禁止に関する法律」違反や収賄、職権乱用など6つの容疑について審議が行われました。そして、およそ5時間にわたる審議の結果、全ての容疑について「不起訴処分」とする答申を決定しました。
何人の委員が「不起訴」に賛成したのかは明らかにされていませんが、「起訴すべき」という意見は出されなかったとみられています。
「不正請託および金品など授受の禁止に関する法律」には、公職者の配偶者を処罰する規定がなく、また、バッグは請託に対する対価ではなく、大統領就任を祝う贈り物であり、尹大統領の職務とは関連性がないとした検察の結論について、妥当と判断した形です。
ただし、一部の委員からは、収賄の疑いについてさらに捜査が必要だとの意見も出されたもようです。
李検察総長は9日、委員会の意見を「尊重する」とコメントしました。検察は今週中にも金夫人を不起訴処分にする見通しです。