ことし7月、ソウルの中心部で乗用車が歩道に突っ込んで9人が死亡した事故を受けて、ソウル市は、事故の危険性の高い区間に街路樹2000本を植える方針を決めました。
ことし7月1日の夜、ソウル中心部の市庁駅近くの交差点で、乗用車が歩道に突っ込んで9人が死亡、4人がけがをする大きな事故が発生しました。
この事故では、一方通行の4車線道路を逆走した乗用車が、車道と歩道の間に設置された衝撃に耐えるはずの、鉄製の杭のボラードをなぎ倒して歩道に突っ込み、信号待ちしていた人を次々とはねて、人命被害が大きくなりました。
鉄製のボラードは、衝撃吸収力が劣るだけでなく、都市の景観も損ねるとして、ソウル市は街路樹で代替しようというものです。
また、街路樹は木陰を提供し、二酸化炭素やPM2.5など大気汚染物質の低減にも効果があるということも考慮しました。
海外の研究結果によりますと、街路樹の直径が大きいほど、車との衝突に耐える可能性が高いとされ、相対的に幹が頑丈で、衝突に耐えられるケヤキ、イチョウ、モミジなどを植える方針です。
ソウル市はまず、中心部の世宗大路(セジョンデロ)の交差点の交通島などにことし50本を植え、来年は1000本、2026年に残りの950本を植える計画です。
事故現場には現在、防護柵が設置されています。