半導体の中核技術を中国企業に流出させた疑いで、サムスン電子の元役員と元首席研究員の身柄が検察に引き渡されました。サムスン電子の被害額は、少なくとも4兆3000億ウォンに上るものとみられます。
ソウル警察庁は、サムスン電子の半導体技術を中国企業に流出させたとされるサムスン電子の元幹部2人について、不正競争防止法違反などの疑いで身柄を検察に引き渡しました。
この2人は、サムスン電子が世界で初めて商用化に成功した20ナノ級のDRAMメモリー半導体技術を流出させた疑いが持たれています。
警察によりますと、このうち1人は、サムスン電子の常務とSKハイニックスの副社長を務めた経歴があり、2020年に中国の地方政府から4600億ウォンの投資を受けて半導体製造メーカーを設立したということです。
その後、サムスン電子の元首席研究員をスカウトし、工程設計を任せたということですが、この一連の過程でサムスン電子のメモリー半導体の中核技術を中国側に渡した疑いが持たれています。
製造業者がDRAMの半導体を開発するためには、少なくとも4年はかかるとされていますが、この中国企業は、わずか1年3か月でダミーウエハーを生産しました。
開発段階に係る被害額だけで、少なくとも4兆3000億ウォンに上るものとみられます。
警察は、この中国企業に転職した約30人の元従業員も追加で立件し、捜査を進めていると明らかにしました。スカウトされた従業員らは、転職から2、3年後には強制的に長期休職させられ、中国企業を事実上解雇されたということです。