国際法に反する「恣意的拘禁」の問題について話し合う国連の実務者会議で、韓国は、北韓に抑留されている韓国人6人を直ちに釈放することを求めました。
韓国の尹聖徳(ユン・ソンドク)ジュネーブ大使は17日、国連ジュネーブ事務所で開かれた「WGAD=恣意的拘禁作業部会」で、「韓国は、北韓での深刻な人権侵害に対して深い懸念を示す」としたうえで、「北韓に抑留されている韓国人6人を直ちに釈放することを求める」と述べました。
WGADは、恣意的に行われる拘禁事件について個人から通報を受け、調査を行う国連人権理事会傘下の実務者グループです。
北韓には現在、韓国国籍の宣教師3人と、韓国国籍を取得した脱北民3人が抑留されています。
宣教師3人は、北韓との国境に近い中国の丹東地域で宣教活動を行っていましたが、2013年から2014年の間に北韓当局に逮捕され、国家転覆を図ったとして、無期懲役に当たる「無期労働教化刑」が言い渡されました。
尹大使は、「北韓の拉致被害者や未送還の韓国軍捕虜の問題も、早急に解決することを求める」と強調しました。
国連の北韓人権特別報告官が去年3月にまとめた報告書によりますと、抑留者以外にも、戦時中に拉致された韓国人は10万人、戦後に拉致されたとみられる韓国人は516人、未送還の韓国軍捕虜は5万人だということです。
北韓は、韓国の拉致被害者や抑留者、韓国軍捕虜の存在を否定していて、生存の確認にも応じていません。