韓国南部地域では、20日から21日にかけて最大で600ミリを超える大雨が降り、1人が死亡し、世界遺産の一部が崩壊するなど、各地で被害が相次ぎました。
全羅南道(チョンラナムド)災害安全対策本部によりますと、22日午前、長興(チャンフン)郡で、89歳の男性が急流に流されて死亡しているのが発見されました。この男性は、前日、リハビリ治療を受けて帰る妻を迎えに行く途中で行方不明となっていました。
気象庁によりますと、今回の大雨は、台風第14号が温帯低気圧に変わったあとに雨雲を引き寄せ、梅雨前線とぶつかったことが原因だということです。
降り始めからの雨量は、済州島(チェジュド)漢拏山(ハンラサン)で605.5ミリ、慶尚南道(キョンサンナムド)昌原(チャンウォン)で519.2ミリ、釜山(プサン)で390.2ミリ、全羅南道(チョンラナムド)麗水(ヨス)で399.5ミリなど、南部地方を中心に各地で記録的な雨量が観測されました。
なかでも慶尚南道昌原市では、19日から21日の3日間で529.4ミリの雨が降り、21日だけで397.7ミリの雨が降りました。これは、これまでの一日降水量の記録である268ミリを大きく上回り、気象庁は「200年に一度の大雨」に相当する雨量だとしています。
この大雨により、慶尚南道金海(キムヘ)市にある世界遺産、伽倻(カヤ)古墳の一部が崩壊しました。
また、釜山では2日間で300ミリ以上の雨が降り、道路に深さ8メートルのシンクホールが発生し、車両2台が落下する事故が発生しました。
さらに、全国各地で2100人以上が避難を余儀なくされました。