中東のイスラエルと、レバノンのイスラム教シーア派組織・ヒズボラの攻撃の応酬が激化していることを受けて、韓国外交部は、レバノンにいる韓国人を退避させる計画を立てていることを明らかにしました。
レバノンには、首都ベイルートにおよそ80人あまり、東部に40人あまり、そのほかの地域に20人あまりと、合わせて140人あまりの韓国人が滞在していて、そのほとんどが宣教師などとして、現地に長らく滞在しています。
韓国政府は、先月からレバノン全土に4段階ある渡航警報で2番目に高い「出国勧告」を出し、国境地域には「旅行禁止」を出していますが、まだ集団的な退避の動きは見られません。
韓国人が被害を受けたという報告は、いまのところ、ありませんが、政府は、民間の航空便が運航されているうちに出国するよう、繰り返し呼びかけています。
また非常事態に備えて退避計画を策定するほか、現地の公館を通じて韓国人の安否を確認しているということです。
さらに、全面戦争に入って空港が閉鎖される最悪の事態に備えた退避作戦を、アメリカなどの友好国と調整していて、ほかの国の軍艦だけでなく、韓国の軍艦を使う案も検討しています。
そして海上退避が難しい内陸部に住む韓国人に対しては、「旅行禁止」が出されているシリアへの一時入国を認め、陸路で退避できるようにする方法も検討しています。
一方、レバノン南部で国連のPKO=平和維持活動に当たっている韓国陸軍・東明(トンミョン)部隊のおよそ300人あまりは、現在、部隊の外での活動は控え、部隊周辺の防護の強化など、安全措置を取っていますが、派兵の早期終了は考えていないということです。