北韓は、韓国に通じる道路を今後も使えないようにするため、地雷を埋設するとともに、南北で開発した開城工業団地を、自力で運営しようと準備しているもようです。
アメリカの政府系メディア、VOA、ボイス・オブ・アメリカが報じたところによりますと、北韓は、南北軍事境界線に近い韓国北部の坡州(パジュ)から開城工業団地に向かう京義(キョンイ)線道路の北韓側の区間に、防壁を設置したとみられるということです。
これについて韓国軍は、地雷を埋設し土を覆ったものであり、防壁や障がい物ではないと説明しています。
ことし2月に撮影した衛星写真でも、8列に土を掘ったようすが鮮明に見られたことから、地雷の埋設は、ことし初めに行われたとみられています。
韓国につながる道路に、多くの地雷を埋設したことで、以前のように韓国と協力して開城工業団地を運営することはないという意思を示したものとみられます。
さらに北韓が独自に開城工業団地の操業を再開しようとする動きも見られています。
ことし2月までは空き地だった開城工業団地内の韓国企業の敷地に、最近、青い屋根の建物が新たに建てられていました。
また色あせていた横断歩道を新たに塗装したようすも確認されました。
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、ことし初め、現代的な工場を毎年20か所ずつ建てる方針を示していますが、建設材料の調達が難しいため、開城工業団地を利用しようとしているのではないかという見方が出ています。
韓国統一部は、開城工業団地の韓国企業の施設の利用は、韓国国民の財産権の侵害に当たるとして、すべての責任は、北韓当局が負うべきだとしています。