終戦直後に京都の舞鶴湾で沈没し、韓半島出身の労働者ら数千人が犠牲になったとされる日本海軍の輸送艦「浮島丸」について、韓国政府は、このほど日本政府が提供した乗船者名簿にもとづいて、26日、遺族対象の説明会を行いました。
「浮島丸」は、終戦直後の1945年8月24日、青森県大湊から釜山に向かう途中、京都府の舞鶴湾で原因不明の爆発事故によって沈没し、日本から祖国に帰る途中だった多くの韓半島出身労働者らが、犠牲になりました。
日本が船体の引き揚げやすべての遺体の回収を行わなかったため、事故の正確な原因と被害の規模は、未だに明らかになっていません。
乗船者名簿を巡って、これまで日本は「沈没した際に名簿は失われた」と主張していましたが、事故から79年目のことし、日本の報道関係者と野党議員が情報公開を要求した結果、乗船者の名簿が一部残っていたことがわかり、日本政府は、精査が終わった19の関連名簿を今月5日、韓国政府に提供しました。
行政安全部は26日、提供を受けた資料にもとづいて、ソウルで遺族対象の説明会を開きました。
説明会には、遺族と関連団体の関係者30人が出席し、名簿を入手した経緯と今後の解明方針を説明し、遺族の意見を取りまとめたということです。
行政安全部は、提供を受けた名簿を、関連団体と一緒に綿密に分析し、被害者の数など、事件の真相究明を進めるとともに、残りの名簿も順次手に入れる方針です。