IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は、「国際社会は北韓の核保有を事実上認め、対話を始めるべきだ」とする意見を表明しました。
グロッシ事務局長は、現地時間の26日、AP通信とのインタビューで、北韓との対話をあきらめたことは、むしろ事態を悪化させているとして、懸念を表明しました。
これは、北韓が2006年に事実上の核保有国になったあと、国際社会が積極的な対話の姿勢を示さなかったことで、北韓の核開発が進んだことを指摘する趣旨の発言とみられます。
また、グロッシ事務局長は、「北韓に核開発の中止を求めることは重要だが、同時に意見の食い違いを改善する方法を真剣に考えるべきだ」としたうえで、「常に状況を主導し、対話に向けた扉を開けておく必要がある」と主張しました。
そして、2週間前、北韓がウラン濃縮施設を公開したことについては、「北韓は、国際的な安全基準に合致しているかどうか確認できない、膨大な核開発プログラムを保有している」と指摘しました。
グロッシ事務局長の今回の発言は、北韓を核保有国として認め、非核化ではなく核軍縮に向けた話し合いを始めるべきとの趣旨の発言ともとらえられますが、国際社会による北韓への制裁措置を無力化することにつながりかねず、議論になるものとみられます。
一方、ロシアのラブロフ外相は26日、ロシアは、アメリカが韓国と日本に提供している「拡大抑止」に対応して北韓と協力すると述べ、「北韓に対して『非核化』という言葉を使うことは無意味であり、すでに終わった問題だ」と主張しました。