「国軍の日」の1日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、北韓が核兵器の使用を試みるならば、「その日が北韓政権が終末を迎える日だ」と警告しました。
尹大統領は1日、ことしで76回目を迎える「国軍の日」を記念して、京畿道(キョンギド)城南(ソンナム)市のソウル空港で開かれた記念式典に出席し、「北韓政権は、核兵器が自らを守ってくれるという妄想から抜け出すべきだ」としたうえで、「北韓が核兵器の使用を試みるならば、韓国軍と韓米同盟の決然たる、圧倒的な対応に直面するだろう。その日が、北韓政権が終末を迎える日だ」と述べました。
また、北韓が韓国に向けて飛ばしている、ごみなどを吊り下げた風船や、GPSのかく乱などの挑発に触れ、「韓国軍は、強力な戦闘力と確固たる態勢をもとに、北韓の挑発に即刻対応をとる」と述べました。
さらに、アメリカとの同盟について、去年4月の首脳会談で採択された「ワシントン宣言」によって、名実ともに核を基盤とする同盟にアップグレードされたとして、今後も、韓米同盟をもとに、韓日米の安保協力を強化していくと強調しました。
「国軍の日」の記念式では、破壊能力の高い弾頭重量9トンの弾道ミサイル「玄武(ヒョンム)5」が、初めて公開されたほか、「死の白鳥」と呼ばれるアメリカ空軍の戦略爆撃機「B-1B」も上空を飛行しました。
一方、ソウルでは、1日午後、「国軍の日」を記念する軍事パレードも、光化門(クァンファムン)一帯で行われました。
軍事パレードは、去年から2年連続で行われたもので、尹大統領は、現職の大統領としては初めて出席しました。
パレードには、軍人3000人と軍の装備80機あまりが動員されましたが、こうした大規模な軍事パレードが行われたのは、2013年以降、初めてです。
大統領室は、軍事パレードを開催した目的について、「軍の士気を高め、苦労をねぎらうため」としていますが、核やミサイルの開発を続ける北韓に対して、警告のメッセージを送るねらいもあるとみられています。