10月1日の「国軍の日」の記念式典で、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領が挑発を続ける北韓をけん制する発言をしたことについて、金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長は「主権を侵害すれば容赦なく核兵器を使う」と宣言し、尹大統領を名指しして強く非難しました。
 
ことしで76回目となった「国軍の日」の記念式典で演説した尹錫悦大統領は、「もし、北が核兵器の使用を企てるならば、韓米同盟の圧倒的な対応に直面し、北の政権の終末の日になるだろう」と警告しました。
 
北韓の朝鮮中央通信は4日、金委員長が朝鮮人民軍の特殊作戦部隊の訓練基地を視察したことを伝え、金委員長は1日の尹大統領の演説について、「核保有国との軍事衝突で生き残ることを願うのは無意味なことだ」と主張したと報じました。
 
また、金委員長は「核を保有している国家の前で軍事力による圧倒的な対応を口にしたが、まともな人ではないとの疑念を抱かざるを得ない」と尹大統領を名指しで批判しました。
 
そして、韓国が北韓の主権を侵害する武力行使を企てた場合、「容赦なく核兵器を含む全ての攻撃力を使う」と警告したとしています。
 
一方、金正恩国務委員長の妹、金与正（キム・ヨジョン）党副部長は３日、談話を発表し、「国軍の日」のパレードについて、「むなしい茶番劇にすぎなかった」と批判したうえで、韓国軍が国軍の日に合わせ、新型弾道ミサイル「玄武（ヒョンム）５」を初公開したことを「核保有国を前にした拙劣な行動にほかならない」と非難しました。