ことしのノーベル生理学・医学賞に、ヒトの遺伝子の働きを制御することができる「マイクロRNA」分子を発見したアメリカ・マサチューセッツ大学のビクター・アンブロス教授ら2人が選ばれましたが、「マイクロRNA」発見のきっかけとなった論文に韓国人研究者が関わっていたことがわかりました。
スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は8日、ことしのノーベル生理学・医学賞に、マサチューセッツ大学のビクター・アンブロス教授と、ハーバード大学のゲイリー・ラブカン教授の2人を選んだと発表しました。
選考委員会によりますと、2人の教授が「マイクロRNA」の存在を説明するため、1993年に国際学術誌「セル」に発表した2本の論文のうち、ラブカン教授の論文に韓国のハ・イルホ博士が共著者として名を連ねています。
韓国人が、ノーベル賞受賞に貢献した重要な研究に参加したのは、極めて異例です。
この研究は当時、大きな反響はありませんでしたが、その後、研究が進み、遺伝子の研究が発展するにつれ、注目を浴びる分野となりました。
ただ、ハ博士はその後の研究には参加しておらず、学界を離れ、バイオ分野の企業を中心に勤務し、現在は、肺動脈性高血圧症の新薬を開発するスタートアップ企業で諮問委員を務めています。
ハ博士は、アンブロス教授らのノーベル賞受賞について、「過去とは違って、韓国のレベルもかなり高まったと思う。韓国からノーベル賞が出ることを期待したい」と語っています。