北韓が、首都の平壌(ピョンヤン)上空に韓国が無人機を送り込んだと主張している中、北韓軍が南北の境界線付近の部隊に射撃準備態勢を整えるよう指示したことがわかり、南北間の緊張が高まっています。
北韓国営の朝鮮中央通信は、北韓軍総参謀部が12日、「韓国が送り込んだ無人機が北韓の国境や首都の上空を追加で侵犯する恐れが高い」として、南北の境界線付近の部隊に対して、韓国が再び挑発してきたら、即時、敵を打撃するよう、射撃準備態勢を整えることを指示したと、13日に伝えました。
一方、韓国軍の消息筋が14日、明らかにしたところによりますと、軍は、北韓軍のこうした動きを受け、北韓側の動向を注意深く見守りながら、監視・警戒態勢を強化しているということです。
これに先立ち、北韓は11日に外務省の重大声明を通じて、韓国の無人機が3日、9日、10日の深夜に平壌上空に侵入し、ビラを散布したと主張し、「すべての攻撃力を使用する準備を整えている。最後通告として厳重に警告する」と脅しています。
これに対して、韓国の金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官は、「事実関係を確認することはできない」との立場を示しています。
国防部の立場について、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は12日、談話を発表し、「主犯か共犯であることを自認したものだ」とし、無人機が再び発見されれば「恐ろしい惨事が起こる」と警告しています。
これを受けて、韓国の国防部は13日、「北韓が我が国民の安全に危害を加えるならば、その日は北韓政権が終わりを迎える日になる」と応酬し、南北間の緊張が高まっています。