ノーベル文学賞を受賞した韓国の作家、韓江（ハン・ガン）さん（53）の本が、韓国国内で急速に売り上げを伸ばし、大手書店の教保（キョボ）文庫とインターネット書店大手のイエス24だけでも、13日午後までに53万冊が売れました。
 
ソウル最大の書店・教保文庫では、受賞が決まった10日夜から13日正午までに、韓さんの作品が26万冊売れました。これは、受賞が決定する直前の3日間と比べ、売り上げが910倍に増加したものです。
 
インターネット書店大手のイエス24でも、10日夜から13日午後2時までに27万冊以上の注文がありました。
 
売り上げランキングでは、『菜食主義者』が1位、『少年が来る』が2位、『別れを告げない』が3位となっています。
 
『菜食主義者』は、トラウマを持った女性が暴力を拒否するために肉を食べるのを拒み菜食に走る話を描いた韓さんの代表作です。『少年が来る』は軍が民主化運動を弾圧した光州（クアンジュ）事件を、『別れを告げない』は軍や警察が左派勢力の武装蜂起の鎮圧を名目に、済州（チェジュ）島民およそ3万人を殺害した「4・3事件」を題材にしています。
 
教保文庫とイエス24では、リアルタイムベストセラーの1位から11位までがすべて韓さんの著書で占められており、ほとんどの作品が在庫不足により予約販売となっています。