北韓は、首都平壌（ピョンヤン）の上空に韓国が無人機を送り込んだと主張していますが、これが韓国の民間団体によるものなのか、あるいは北韓自身が内部結束を図るために自作自演を行った可能性が指摘されています。
 
北韓は11日、韓国の無人機が今月3度にわたり平壌上空に侵入し、北韓体制を批判するビラを散布したと主張し、その無人機とビラの写真を公開しました。
 
ビラには、「自分の腹を肥やすことに余念がない金正恩（キム・ジョンウン）」と書かれているほか、金正恩国務委員長と娘のジュエさんが高級ブランドの服を着ている写真が掲載され、北韓の体制を批判する内容となっています。
 
無人機は、このビラを20キロほど積載し、往復300キロ以上飛行したと推定されています。
 
北韓は、韓国軍の仕業だとしていますが、停戦協定に違反する無人機の北韓領空への侵入を韓国軍が行った可能性は低いと韓国軍内外ではみられています。
 
そのため、民間団体が関与している可能性があるとも指摘されていますが、北韓が公開した無人機は長距離飛行用の固定翼型で、民間で容易に入手できるものではないことから、疑問も残っています。これのため、北韓が内部の結束を図るために行った自作自演ではないかという見方も浮上しています。
 
一方で、韓国政府は、韓国が無人機を送り込んだという北韓の主張に対し、「事実関係を確認することはできない」とする一方で、北韓側に韓国軍が関与した証拠の提示を求めています。