北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長とロシアのプーチン大統領が6月に署名した、どちらか一方が戦争状態になった場合、軍事的な援助を提供すると明記された「包括的戦略パートナーシップ条約」は、ロシアの国会で批准に向けた手続きが進められています。
 
プーチン大統領は北韓との間で締結した包括的戦略パートナーシップ条約を批准する法案を、14日ロシア下院に提出しました。
 
この条約には、どちらか一方が戦争状態になった場合、軍事的な援助を提供するという内容が盛り込まれていることから、北韓とロシアの関係が、軍事同盟に格上げされたという見方が出ています。
 
条約には、両国間で批准書が取り交わされた日から効力が発生し、その効力は無期限に継続されると明記されています。
 
北韓は、国会に当たる最高人民会議を、7日開催しましたが、今のところ、条約の批准に関する報道は出ていません。
 
一方、6月に条約の締結をして以来、北韓とロシアは、あらゆる面での協力を強化しています。
 
軍事面では、北韓がロシアに対し、ウクライナとの戦争に必要な武器を提供しているという疑惑が浮上しているなか、ウクライナ側は、最近北韓がロシア軍を支援するため、ウクライナに兵力を派遣したと主張しています。
 
また、北韓が、韓国の無人機が平壌上空に侵入し、北韓体制を批判するビラを散布したと主張していることに関しても、ロシア外務省は「北韓に対する主権侵害であり内政干渉だ」として、北韓を擁護し、韓国を批判する声明を発表しました。