おととし、159人が亡くなった梨泰院(イテウォン)の転倒事故当時、ソウル警察庁のトップだった金光浩(キム・グァンホ)氏に対して、1審の裁判所が無罪判決を言い渡しました。
ソウル西部地方裁判所は17日、業務上過失致死傷罪などで起訴された金氏に対して無罪判決を言い渡しました。
当時の梨泰院を管轄する前龍山(ヨンサン)警察署長が1審で有罪判決を言い渡されたことから、ソウル警察庁のトップだった金氏にも同じような判決が言い渡されるかどうかに関心が集まっていました。
裁判所は、「ソウル世界花火大会の雑踏警備に対応した金氏の経験や、多くの人が集まる行事に関する警察の安全管理マニュアルなどを考慮すると、事故を予見した可能性はあるが、大規模な転倒事故を予測できたと判断する根拠にはならない」と説明しました。
また、事前に報告を受けたにもかかわらず、きちんと対策を立てなかったという指摘や、事故が発生したあとの混雑を解消するための警備機動隊の配置など、対応が不十分だったという指摘に対しても、裁判所は、「当時、警察内部で金氏に報告された内容などを考慮すると、注意監督義務を怠ったとは見なしがたい」としました。
検察は、金氏が安全事故の発生を防ぐため、警察組織を指揮・監督する義務があったにもかかわらず、その役割をきちんと果たさなかったとして禁固5年を求刑していました。