ことしのノーベル文学賞に選ばれた韓国人作家の韓江(ハン・ガン)さんは、受賞決定後、初めて公の場に姿を見せ、受賞の喜びを語りました。
17日、ソウル市内で開かれたイベントに出席した韓江さんは、「多くの方が自分のことのように受賞を喜んでくれたこの一週間が、自分にとって特別な思い出になると思う」と感想を述べたうえで、作家デビューから30周年を迎えることに言及し、今後の計画について語りました。
韓江さんは、小説の執筆について、「小説をいざ書き始めると、道に迷うこともあるが、遠い道をう回して完成に進むときの喜びは大きい。今までそうしてきたように、書き続けながら本の中で読者たちに会いたい」と話しました。
そして、ことしの春から新たな小説を執筆していて、来年の上半期の発表を目指していることを明らかにし、60歳までに6年間に3冊の本を執筆したいという目標も語りました。
韓江さんは、『雪』または、『冬』といわれる連作の3作目を執筆しています。1作目の『一粒の雪が溶ける間』は、会社の労働争議を題材にしたもの、2作目の『さよなら』は、ベンチに座っている間に雪だるまになってしまった女性を描いたもので、その最後の作品を書いています。
ノーベル文学賞の受賞決定後、「この賞が何を意味するかを考える時間が必要だ」と述べた韓江さんが、ことしの12月10日、スウェーデンで開かれるノーベル賞授賞式で、どのようなメッセージを発信するかが注目されています。