北韓が憲法を改正し、韓国を「敵対国家」と明記したことに続き、軍の指揮所を視察した金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、「韓国が主権を侵害すれば物理的力をためらいなく使用する」と警告しました。
北韓の朝鮮中央通信は17日、金委員長が朝鮮人民軍第2軍団の指揮部を視察したことを報じました。第2軍団は、軍事境界線を挟んで韓国軍と対峙する西部の前線部隊を統括しています。
この中で、金委員長は、韓国を「他国であり明確な敵国」としたうえで、韓国が主権を侵害すれば、「物理的力をためらいなく使用する」と強硬な措置も辞さない姿勢を示しました。
また、韓国につながる道路と鉄道を破壊したことに言及し「単に物理的に閉鎖したという意味を超えてソウルとの悪縁を絶ち、つまらない同族意識と統一という非現実的な認識を払いのけたものだ」と強調しました。
朝鮮中央通信は、金委員長が敵の動向について報告を受け、軍事行動計画が盛り込まれた重要文献を検討したとして、ソウルとみられる地図を前に、軍の幹部に指示している写真を掲載しました。
また、写真の背景にあるテレビの画面には韓半島の地図が写っていて、軍事境界線とみられる位置に青い線が引いてあることが確認されました。
一方、北韓軍は今月11日、首都平壌(ピョンヤン)の上空に韓国が無人機を飛ばしたと主張し、今月13日には、軍事境界線付近の部隊に射撃準備の態勢を整えるよう指示するなど、南北の間では緊張が高まっています。