韓国最高裁で日本企業が敗訴した元徴用工訴訟で、原告のうち韓国政府の解決策を受け入れていなかった被害者、梁錦徳(ヤン・クムドク)さんが、韓国政府の解決策を受け入れ、賠償金を受け取りました。
外交部によりますと、梁さんは、最高裁判決に基づき、賠償金と遅延利子を受け取ったということです。
韓国政府は去年3月、政府傘下の財団が、被告の日本企業の代わりに賠償金の支払いを肩代わりする「第3者弁済」を発表しました。財団の財源は、1965年に韓日請求権協定が結ばれた当時、日本からの経済協力資金が投入された企業などの寄付でまかないました。
その後、原告15人のうち、存命の1人を含めた11人が、この解決策を受け入れましたが、存命の梁さんと李春植(イ・チュンシク)さんのほか2人が拒否していました。
梁さんは去年3月、韓国政府の発表を受け、「飢え死にしても、そんな金は受け取らない」と反発していました。
梁さんは1944年に強制徴用され、三菱重工業の名古屋航空機製作所で働かされました。1992年から韓国と日本を行き来して徴用被害について証言しましたが、去年11月からは病院に入院しているということです。
梁さんが「第3者弁済」を受け入れたことで、原告15人のうち12人が賠償金を受け取ったことになります。