アメリカのカービー大統領補佐官は、23日の記者会見で、少なくとも3000人の北韓軍兵士が今月はじめから中旬にかけて、ロシアのウラジオストクに移動し、ロシア東部の3つの軍事施設で訓練を受けているとみられると明らかにしました。さらにNATO=北大西洋条約機構も、北韓の兵士派遣の証拠を確認したと発表しました
アメリカのカービー大統領補佐官は、ロシアに派遣された北韓軍が今後、西部に移動し、ウクライナと交戦する可能性もあるとしたうえで、その場合は、北韓軍も攻撃の対象になるだろうと警告しました。
また、北韓の兵士派遣をめぐって慎重な立場を示していた、アメリカのオースティン国防長官も、北韓の兵士がロシアにいる証拠があると明らかにしました。
そのうえで、今回の兵士派遣は、インド太平洋地域にも影響を与えるだろうという考え方を示しました。
アメリカ当局はまた、北韓の兵士派遣は国連安全保障理事会の決議に反するものだとして、ロシアに軍事支援を行う際には、重大な制裁を加えると明らかにしました。
さらにNATOも同盟国が北韓の兵士派遣の証拠を確認したと発表し、ウクライナ戦争がエスカレートしかねないと警告しました。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、13日から北韓の兵士派遣を指摘し、西側諸国の対応を求めていたほか、韓国も18日、国家情報院が、北韓とロシアの間で兵士派遣に関する合意がなされたと発表しましたが、その間、アメリカは「事実確認が必要だ」として、慎重な姿勢を示していました。
アメリカが初めて、韓国やウクライナと同じ認識を示したことから、今後のアメリカ政府の対応に注目が集まっています。