ソウル市は、ソウル市内を走る鉄道の地上区間の9割以上を地下化して、線路のあった場所に緑地を造成し、駅のあった場所には文化施設や商業施設を開発する計画を発表しました。
ソウル市が23日、明らかにした計画によりますと、ソウル市内の鉄道の地上区間は、6つの路線で39の駅、合わせて71.6キロで、このうち94%にあたる67キロを地下化するということです。
面積は、合わせて122万平方メートルに上り、線路や駅があった場所は、大規模な緑地の造成や文化・商業施設の開発が行われる予定です。
ソウル市は、鉄道の地下化には25兆6000億ウォンの事業費がかかり、地下化された駅の上に開発された施設による利益は31兆ウォンに達するものと推計しています。
これまで、鉄道の地上区間は、バランスのとれた地域の発展を阻害する要因として指摘されてきました。
南北に走る地下鉄1号線ソウル駅の敷地は、駅と線路が東西を隔てていますが、東側は光化門(クァンファムン)や乙支路(ウルチロ)などの商業地区につながるため、高層ビルなどの開発が進んだ一方、西側は大規模な開発が行われず、比較的発展が遅れています。
また、鉄道が地上を走ることによる騒音などの問題もあり、以前から地下化をめぐる議論がありました。
そんななか、ことし1月、地下化と鉄道用地の開発に関する法律が制定され、議論に拍車がかかりました。
ソウル市の鉄道の地上区間は、15の自治体をまたいでおり、国土交通部は、鉄道の地下化事業の推進のため、25日まで各自治体の提案を受け付けているということです。