尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、新たな原発の着工式で、「原発の完全な正常化に拍車をかける」と強調しました。
尹大統領は30日、韓国東部の慶尚北道(キョンサンブクト)蔚珍(ウルチン)郡で行われた新ハヌル原子力発電所1号機と2号機の竣工式と、3号機と4号機の着工式に出席し、「いままさに『原発のルネッサンス』が始まろうとしている。1000兆ウォン規模のグローバル原発市場が開かれつつある」としたうえで、「チェコの原発事業の受注を足掛かりに、原発の完全な正常化に拍車をかける」と話しました。
新ハヌル原発3号機と4号機は2017年に、当時の文在寅(ムン・ジェイン)政権の脱原発政策により、建設が中止になりましたが、現在の政権に変わって、事業の再開が発表され、先月12日に建設許可が出ました。
尹大統領は、「新ハヌル原発3号機と4号機だけでなく、海外の原発事業の受注、小型モジュール炉のような新たな原発の建設などを通じて、原発業界に仕事を十分供給する。建設、運転、輸出、解体に至るまで、分野ごとの原発技術の開発への投資を増やすほか、海外の研究機関とも研究できるよう支援する」と述べました。
また、設計した寿命になり停止した原発を再稼働するための安定性評価の「継続運転審査」の制度も見直す方針です。
尹大統領は、「最初に許可を受けた設計の寿命が過ぎれば廃炉とするという脱原発政策のため、継続運転審査を受けられず、合わせて5つの原発が再来年までに稼働を停止することになる。これによる損失額は莫大で、これはそのまま国民と産業界の重荷となるだろう」と話しました。
尹大統領は、「安全さえ保障されれば、期限なしに運転できるイギリス、フランスなどの先進事例を参考にして、安全が確認された原発は運転が続けられるように制度を見直す必要がある」と説明しました。