アメリカ政府は、ロシア南西部のクルスク州に配備された8000人の北韓軍兵士が訓練を受けていて、数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示しました。
韓国とアメリカの外交・国防当局の高官が、10月31日、ワシントンで外務・防衛担当閣僚会議、いわるゆ「2プラス2」を開き、北韓の大陸間弾道ミサイルの発射を強く非難するとともに、ロシアへの派兵を直ちに撤回することを求めました。
アメリカのブリンケン国務長官は、会議後の記者会見で、「ロシアに派遣された1万人の北韓軍の兵士のうち8000人が、ウクライナ軍の越境攻撃が続くロシア西部のクルスク州に移動した」と述べました。
また、ロシアは、北韓の兵士に対して、砲兵や無人航空機の使い方、ざんごうの攻略などに関する訓練をしていて、こうした訓練が「北韓軍を最前線に投入する意図があることを示す」と指摘し、数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見方を示しました。
一方、オースティン国防長官は、仮に北韓軍が戦闘に参加しても、ウクライナ軍がクルスク州の支配地域を維持できると判断しました。
また、ロシアが失った兵力を北韓軍が補うことになっても、1日の死傷者が1200人に上っているロシアにとって、1万人の兵力はそれほど大きい規模とは言えないと述べました。
そして、北韓が31日に発射したICBM=大陸間弾道ミサイルについては、「現時点でロシアが関与した兆候は見られない」としました。
北韓は、独自の技術で過去最長の飛しょう時間を記録したICBMの開発に成功したとみられ、これは、射程距離が1万5000キロメートルに達する「火星18型」よりも遠くにあるターゲットを攻撃できる技術を確保したことを意味します。