尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫妻をめぐるさまざまな疑惑が浮上し、尹大統領の支持率が20%を下回る中、最大野党「共に民主党」は2日、ソウル駅前で政権を非難する大規模集会を開きました。
この集会は2日午後2時からソウル駅前で行われ、警察発表でおよそ2万人、主催者発表で30万人以上が参加しました。集会には、李在明(イ・ジェミョン)代表をはじめ、党幹部、国会議員、党員、一般市民らが参加しました。「共に民主党」が党代表参加のもとで政府・与党を批判する大規模集会を開くのは、今年初めてです。
集会で李代表は、「不当な反国民的権力を私たちの手で審判しよう」と訴え、尹政権を強く批判しました。参加者たちは「政権退陣」を求める声を上げ、「共に民主党」は尹大統領の妻である金建希(キム・ゴニ)夫人をめぐる収賄や株価操作などの疑惑を独立した特別検察官に捜査させるための特別法案を、今月14日の国会本会議で再度採決するよう求めました。
世論調査会社「韓国ギャラップ」が先月行った調査では、尹大統領の支持率が就任以来最低の19%まで落ち込み、不支持の理由として「金夫人に関する疑惑」が17%で最も多くなっています。さらに、尹大統領が国政選挙への違法な介入を行ったとされる新たな疑惑も浮上し、支持率の低下に拍車をかけています。
この疑惑は、尹大統領がおととし6月の国会議員補欠選挙で、与党「国民の力」の公認候補選びに不当に介入したというもので、その証拠とする通話の音声を「共に民主党」が先月末に公開しています。大統領府と与党はこれに対して不正を否定していますが、この件も国内で波紋を広げています。
与党内からも「支持率10%台を深刻に受け止めるべき」との声が出る中、与党の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は4日、尹大統領に対し、国民への謝罪と大統領室関係者の交代、そして金夫人の対外活動の即時中止を求めました。
こうした中、尹大統領は、野党の政治攻勢を理由に、4日に国会で行われる来年度予算案の施政方針演説への出席を見送ることを決定しました。現職の大統領が施政方針演説を欠席するのは、2013年以来11年ぶりとなります。