尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は11日、5年の任期の折り返しを迎え、任期後半の第一の課題として、所得や教育の不均衡など、二極化の解消を掲げました。
 
尹大統領は11日、龍山（ヨンサン）の大統領室で開かれた首席秘書官会議で、「任期の後半は、所得や教育の不均衡など、二極化を打開するために積極的に取り組むべきだ」と述べました。
 
任期前半は、民間が主導する市場への転換を推し進め、その枠組みをつくることに力を注いだ一方、後半はそれを国民が肌で感じられるようにすることに集中したい考えです。
 
大統領室の関係者によりますと、現金を支給するような形はとらず、厳しい状況に置かれた人々に、それぞれ一人ひとりが体感できる政策を作っていく方針だということです。
 
このような政府の方針は、尹大統領の支持率が過去最低の10%台後半にまで落ち込み、任期後半の円滑な国政運営を行うための力が失われかねないという懸念が背景にあるものとみられています。
 
大統領室の関係者は、当分は、アメリカの新政権発足への対応や国会での予算案通過に注力しなければならないものの、刷新に拍車をかけながらも、柔軟に対応していくと説明しました。
 
一部では、予算が成立する来月中にも、中規模の内閣改造が行われるだろうとの見通しが出ています。
 
尹大統領が、国民生活の改善と国政の刷新を軸に、任期後半に支持率回復への勢いを作れるかどうかが注目されています。