トランプ前大統領の2期目の政権が北韓との対話を進める可能性について、韓国外交部の高官は「韓国主導で韓国の立場を反映させることが重要だ」との考えを示しました。
外交部の高官は12日、記者団に対し、トランプ前大統領の2期目の政権が北韓との対話を進める可能性について、「不確実な状況であり、すべての可能性を考慮して協議を進める必要がある」と述べたうえで、「アメリカが北韓と対話を進める場合でも、韓国主導で韓国の立場が反映されるべきだ」と強調しました。
韓国では、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が当選したことにより、米朝対話が行われる際に韓国が取り残される「パッシング(素通り)」の懸念が高まっています。
また、米朝が北韓の非核化を進めるのではなく軍縮交渉に変わるのではとする可能性については、「非核化の優先順位が下がるように見えるが、政策が変わるわけではない」とし、「韓国とアメリカの非核化目標は揺るがない」と述べました。
さらに、トランプ氏がウクライナ戦争の早期終結を目指すと表明しているなか、韓国政府がウクライナへの兵器支援を検討していることに関連して、「新政権発足にともなう政策調整は行われるだろうが、現時点で急な見直しの必要性はない」との認識を示しました。
一方、外交部の高官は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とトランプ氏の会談について、選挙直後の通話で、トランプ氏が「できるだけ早く会おう」と先に提案したことを明らかにしました。
大統領室によりますと、尹大統領は今月14日から16日にかけてペルーで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議に出席し、その後16日から21日にかけてブラジルでのG20=主要20か国首脳会議に出席する予定で、これにあわせてトランプ氏との会談を調整しているということです。