韓国南部済州(チェジュ)沖で27人が乗った大型漁船が沈没し、4人が死亡、10人が行方不明となった事故で、「船の老朽化」が原因の一つとされているなか、韓国では、船が進水してから経過した年数の「船齢」が21年以上の漁船が、全体の38%に上ることがわかりました。
韓国海洋水産部が14日、発表したところによりますと、去年、船齢が21年以上の漁船は、全体の38%にあたる2万4504隻だったということです。
韓国では、老朽化した漁船の基準が定められておらず、業界では、船齢が20年を超えれば老朽化した漁船と見なしています。
今回事故を起こした漁船の船齢は34年でした。
また、老朽化した漁船への点検が行われていないため、制度づくりを求める声が出ています。
海洋水産部は、漁業従事者の高齢化が進んでいるうえ、漁村の人手不足の影響で新たに登録する漁船も減っていることから、老朽化した漁船の割合が高まっていると説明しています。
今回事故が発生した129トンの大型漁船は、8日午前4時半過ぎ、韓国南部・済州の飛揚島(ピヤンド)から北西およそ24キロの海上で沈没し、これまでに4人が死亡し、10人が行方不明となっています。
事故の原因は、漁獲量が普段より多かったため船の傾きが戻らないまま沈没する「復原力喪失」のほかに、「船の老朽化」も指摘されています。