韓国の大学で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を批判し、退陣を求める「時局宣言」の発表が相次いでいます。
今月21日時点で、個別の大学が発表した20件の「時局宣言」を含め、55の大学に所属している教授や研究者ら3000人以上が、「時局宣言」に署名しています。「時局宣言」は、大学教授や知識人が政局に対して憂慮を伝えるものです。
ソウルでは、先月28日、嘉泉(カチョン)大学を皮切りに、韓国外国語大学、漢陽(ハニャン)大学、高麗(コリョ)大学などが「時局宣言」に参加し、今月21日からは、東国(トングク)大学、延世(ヨンセ)大学、梨花(イファ)女子大学などの教授らも参加しています。
東国大学の教授らは記者会見を行い、「これ以上、尹大統領に国政運営を任せることはできない」と主張しました。
また、108人の教授らが署名した「時局宣言」では、「危機的な状況ほど、大統領の能力と意志、意思疎通による協力が求められるが、今の尹大統領の態度からは、そのような資質が全く見当たらない」と指摘しました。
同じく「時局宣言」を発表した梨花女子大学の教授らは、「尹錫悦政権発足後、計り知れない大統領の無能さや、大統領自身と家族を巡る相次ぐ疑惑によって、民主共和国の根幹が揺さぶられ、経済は破綻している」と強調し、「尹大統領の退陣を強く求める」と主張しました。
尹大統領が任期の折り返しを迎えた早い時期に、多数の大学教授や研究者による「時局宣言」が発表され、退陣を求める声が出ていることから、政府と与党にとっては、今後の政権運営において大きな負担になるものとみられます。