韓国政府は、24日に新潟県佐渡市で開催される「佐渡島の金山」の追悼式に出席しないことを明らかにしました。
外交部は23日午後発表したことによりますと、「佐渡島の金山」の追悼式をめぐって、「外交当局間の意見調整が十分ではない」として参加しないと発表しました。「両国が受け入れ可能な合意に至るのは難しいと判断した」と説明しています。
韓国政府は、追悼式には日本政府から次官級の高官が出席することを求めていたのに対して、日本は22日、生稲晃子外務大臣政務官を派遣すると発表しました。
しかし、生稲政務官がおととしに靖国神社に参拝したことから、韓国国内では「韓国の遺族らを侮辱しており、不適切な人選だ」と問題視する声が出ています。
また、生稲政務官は安倍元総理大臣の抜擢で参議院選挙に出馬した際、メディアのアンケートで、強制徴用問題など過去の歴史問題について、「韓国がもっと譲歩しなければならない」という答えを選んでいます。
こうしたことから韓国外交部は22日午後に予定していた関連の記者会見を急きょ取りやめました。
両国はまた、追悼の辞で、韓半島出身者の犠牲に対する内容をめぐっても合意に至らなかったもようです。
追悼式に出席しようとしていた強制動員被害者遺族11人のうち、一部はすでに日本に到着していて、外交部は遺族らとともに現地で、別途の追悼行事を開くと明らかにしました。
「佐渡島の金山」をめぐっては、韓半島出身労働者が過酷な労働環境にあったことを示す現地での展示を行うことや、追悼式を毎年行うことで、両国がことし7月末に合意し、韓国も世界遺産の登録に同意しました。
外交部の関係者は引き続き、日本政府と緊密に意思疎通するとしています。