北韓が先月、南北をつなぐ道路と鉄道、京義(キョンイ)線と東海(トンへ)線の北韓側の一部を爆破したことに続いて、今度は、南北協力事業として北韓の開城(ケソン)市に作られた開城工業団地に電力を供給するために韓国が建設した鉄塔を撤去しようとしていることが確認されました。
韓国軍が26日、発表したところによりますと、24日から数人の北韓軍が京義線周辺の送電塔に上り、一部の送電線を切っている様子が確認されたということです。
軍当局は、北韓が送電線の切断作業が終わり次第、兵力をさらに投入し、送電塔を撤去するものと予想していて、監視を強化しています。
南北の軍事境界線付近から開城工業団地まで続く京義線には、道路に沿って、数百メートルの間隔で合わせて48の送電塔が建設されています。
これらは、韓国電力が2007年1月に、開城工業団地に電力を供給するために建設したものです。
南北で開発した開城工業団地は2016年から操業が中断されていて、最近は北韓が自力で運営しようと準備している様子が捉えられています。
これに先立ち、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が去年末に南北関係について、「敵対的な二国間関係」だと宣言して以降、北韓は、両国の連結を遮断する動きを見せています。
北韓は、南北をつなぐ京義線と東海線に道路と鉄道に対し、3月に街灯を撤去し、5月には鉄道の線路を撤去、さらに10月には道路の一部を爆破していました。